〖現役医師が解説〗獣医学部ってどんな学部?~大学選び・将来の進路・人気の現状について~
そもそも獣医学部では何を学ぶのか?

こんにちは!Dr.TAKAゼミ塾長の上山です(^^)/
今回は、医学部と同じく6年間大学に通い、国家資格取得を目指す「獣医学部」についてお話ししていきたいと思います!
Dr.TAKAゼミには医学部・歯学部・薬学部を志望する生徒が多く通っていますが、「獣医学部に興味があります」という相談を受けることもあります。
「動物が好きだから獣医師になりたい!」という中学生・高校生も多いと思いますが、実際の獣医学部ではどのようなことを学び、卒業後にはどのような進路があるのでしょうか?
私自身は医師ですので人間を対象とする医学を学んできたわけですが、獣医学について調べてみると、医学部との共通点も非常に多く、個人的にも大変興味深い学部だと感じます。
まず獣医師になるためには、基本的に6年制の獣医学課程を卒業し、獣医師国家試験に合格する必要があります。
医学部と同様に、大学では解剖学・生理学・薬理学・病理学など、「生体がどういう仕組みで動いているのか」「病気がどうして起こるのか」「どのように診断・治療するのか」といった内容を勉強していきます。
ただし当然ですが、獣医学の場合は対象が人間だけではありません。
犬や猫などのペットだけでなく、牛・豚・馬・鶏などの産業動物、さらには野生動物などについても学びます。
また、
・人と動物の両方に感染する感染症
・食品衛生
・公衆衛生
・家畜の感染症対策
・動物由来の医薬品や研究
なども獣医学の重要な分野になります。
文部科学省も、近年の獣医学では「食の安全」「人獣共通感染症」「伴侶動物の疾病の多様化」などに対応する必要性が高まっているとしています。
つまり、
「獣医師=動物病院で犬や猫を診察する先生」
というのは獣医師の仕事の一部分に過ぎないということですね。
個人的にはここは、中高生の皆さんにもぜひ知っておいてほしい部分です。
「動物が好き!」という気持ちはもちろん大切だと思いますが、それに加えて生物や化学などの生命科学に興味がある人、人の医療だけでなく感染症や公衆衛生にも興味がある人にとっても、非常に面白い進路ではないでしょうか(^^)
獣医学部は全国でわずか17大学!どの大学を選ぶ?

獣医学部受験について考えるうえで、まず知っておかなくてはいけないことがあります。
それは、
獣医師を目指せる大学が非常に少ない!
ということです。
現在、日本で獣医学を学び獣医師国家試験を目指せる大学は、国立10大学・公立1大学・私立6大学の計17大学しかありません。
具体的には、
【国立大学】
北海道大学
帯広畜産大学
岩手大学
東京大学
東京農工大学
岐阜大学
鳥取大学
山口大学
宮崎大学
鹿児島大学
【公立大学】
大阪公立大学
【私立大学】
酪農学園大学
北里大学
麻布大学
日本大学
日本獣医生命科学大学
岡山理科大学
となります。
医学部医学科は全国に80校以上ありますので、それと比較してもかなり少ないことが分かると思います。
そして福岡の高校生が国公立獣医学部を目指す場合、地理的にも候補に入りやすいのが、
山口大学・宮崎大学・鹿児島大学
あたりではないでしょうか。
山口大学と鹿児島大学には共同獣医学部が設置されており、両大学が連携しながら教育を行っています。
ただ、獣医学部は大学数も募集人数も少ないため、医学部受験と同様に、
「なんとなく第一志望を決めて、あとは成績が上がってから考えよう」
という受験の仕方はあまりお勧めしません。
大学によって共通テストと二次試験の配点、数学・理科の科目、後期日程の有無などが異なりますので、早い段階から自分に合う大学を考えておくことが非常に大切だと思います。
また、私立大学にも獣医学部がありますが、
「私立なら国公立より簡単だろう」
と考えるのも少し危険です。
そもそも獣医学部志望者に対して大学の定員が少ないため、私立であっても獣医学科は決して簡単ではありません。
加えて6年間通うことになりますので、私立大学の場合は学費についてもしっかり調べておく必要があります。
獣医学部を本気で目指すのであれば、高校3年生になってから考えるのではなく、可能であれば高校1・2年生の段階から、
「どの大学なら自分の得意科目を生かせるのか?」
まで考えながら勉強を進めていきたいところです。
動物病院だけじゃない!獣医師の進路と人気の現状

最後に獣医学部卒業後の進路について考えてみましょう。
獣医師と聞いて多くの方が思い浮かべるのは、やはり犬や猫を診察する動物病院の先生だと思います。
もちろんこれは獣医師の非常に重要な仕事です。
しかし、獣医師の仕事はそれだけではありません。
たとえば、
・犬や猫などを診察する小動物臨床
・牛や豚、馬などを診療する産業動物臨床
・家畜の伝染病対策
・食肉検査や食品衛生に携わる公務員
・製薬会社などの企業
・大学や研究機関
など、本当に様々な進路があります。
私自身も医師として働いていますので、医療というとどうしても「患者さんを診察して病気を治す仕事」というイメージを持たれやすいことはよく分かります。
ただ、医師にも臨床医・研究医・行政など様々な仕事があるのと同じように、獣医師にも非常に幅広い活躍の場があるということですね。
そして獣医学部の人気ですが、私は今後も簡単に人気がなくなる学部ではないと考えています。
2026年度の国公立大学入試を見ても、北海道大学共同獣医学課程の前期日程は募集20名に対して100名が志願し5.0倍、大阪公立大学獣医学科も募集35名に対して134名が志願し3.8倍となっています。
北海道大学については、2026年度は前年よりも獣医学部志願者が増加しています。
全国で獣医師を養成する大学そのものが少ないことも考えると、
「獣医学部は医学部ほど難しくないから、医学部が厳しそうなら獣医に変えよう」
というような考え方は、個人的にはあまりお勧めできません。
獣医学部には獣医学部の難しさがあります。
一方で、
「動物の命に関わる仕事がしたい」
「生物や化学が好き」
「感染症や生命科学に興味がある」
「将来は資格を生かして専門的な仕事がしたい」
という人にとっては、本当に魅力的な選択肢だと思います!
特に中学生や高校1・2年生で既に獣医師に興味を持っているのであれば、それは受験において大きなアドバンテージです。
早い段階から目標となる大学を調べ、必要な科目・学力を逆算して勉強していくことができます。
獣医学部も医学部と同様に、「受験直前に頑張ればなんとかなる」というよりは、早くからコツコツ積み重ねた生徒が強い学部ではないかと思います。
Dr.TAKAゼミでは、学校の勉強をきちんと理解していくところから、大学受験を見据えた学習まで、生徒一人ひとりの状況に合わせて個別に学習計画を考えています。
「将来は獣医師になりたいけど、今から何を勉強すればいいのか分からない」
「獣医学部に行くにはどのくらいの成績が必要?」
「山口大学・宮崎大学・鹿児島大学などを目指したいけど、今の勉強で大丈夫?」
など、獣医学部受験について気になる方もぜひお気軽にご相談ください(^^)/



